探偵の現実とイメージの違いとは?

劇場版「探偵オペラミルキィホームズ逆襲のミルキィホームズ」

探偵の現実とイメージの違いとは?

探偵といえばどんなイメージを持っているでしょうか?

世の中に探偵を題材とした作品は数々ありますが、探偵のイメージや現実はどういうものなのか?

実際の探偵とはどんな仕事をしているのかなど、知られざる探偵という職業に関してご紹介していきたいと思います。

颯爽と事件解決?!名探偵はいる?

どんな作品でも颯爽と事件を解決すると描かれる事の多い職業ですが、実際はとても地味でコツコツした調査の地道な積み上げが必要です。

もちろん作品の中の探偵のように時には推察や推測から予測を立てながら調査を行い、確実に証拠となるものを押さえるといった事も行いますが、大半は地道な調査の繰り返しといえます。

情報収集・尾行や張り込み・証拠収集・記録・尾行や張り込み・調査・証拠収集・・・とこうした作業の繰り返しになります。

名探偵コナンではコナンと少年探偵団の仲間達や探偵の毛利小五郎が事件を解決していきますが、実際にはこうした現場に一般人が立ち入る事はできませんし事件の細かな内容を知る事はできません。

しかし一般の人が知る事は少ないですが、古くからの経験を積み上げた名物探偵という方は実際にも存在していて、業界の中でそうした経験をご教授頂く機会があったりもします

刑事事件では探偵が介入する事はなく、探偵はあくまで民事事件などの調査を行う事を主軸として仕事をしています。

颯爽と事件を解決していく姿を思い浮かべていると、実際に働いた時にその仕事の地味さに驚かされる事になってしまうかもしれません。

地味とはいえ調査を行う際はスリリングな一幕もあり、いかに対象者にバレずに仕事を完遂するかというのが探偵の力の見せ所といえるかもしれません。

探偵には免許や特別な権限はあるのか?

事件現場に行って警察官が探偵に向かい「こちらです」と案内するような場面がありますが、実際にはそうした場面に遭遇する事はありません

探偵には警察官や車の免許のような資格システムはなく、探偵を開業しようとする時に「探偵業開業届出書」というものの提出が必要となります。

これは公安委員会に開業の届け出を行うものとして義務化されており、届け出を受理される事で認可される事となり業者固有の番号が割り振られます。

こうした事から探偵として開業しようとすると届け出は必要なのですが、社員となって働く事には基本的に何の資格も必要ありません。

探偵学園Qに出てくるものの中に「警視庁特別公認探偵」がありますが、現実にはこうした特別な称号も資格もないというのが実情です。

探偵は警察のデータベースにアクセスする事もできませんし、事件の現場に入って捜査に加わった言動を取れるのは、日本と欧米諸国の探偵というシステムが大きく違うためです。

欧米諸国では免許制である事がほとんどで、元警察官が探偵となる場合が多く、資格を取得するまでに数千時間の警察や消防や軍警察などでの捜査実務経験が必要となったり、許可制によって銃の携行も許可されるなど警察のような強く大きな権限を与えられています。

日本では警察の持っている権限がとても大きく、探偵の持つ権限は一般人と大きな違いはありませんので、こうした理由により警察の入っている現場に探偵が入るという事はありません

探偵は特殊な道具を使うのか?

名探偵コナンでも道具を駆使し、探偵学園Qでは特殊能力を使って調査を行いますが実際の探偵はといいますと、有能かどうかに関わらず機材を駆使して調査を行います。

その人が持つノウハウや経験などはそのまま探偵としての能力となり発揮されます。

調査や尾行が上手い探偵も確かにいて、そういった探偵は名探偵や超能力者といえなくもないですがもちろん普通の人物です。

こうした能力+機材の能力を合わせる事でより確かな調査を行える事となります。

名探偵コナンに出てくるキック力増強シューズは実際の調査では残念ながら使えません。

ストーカーしている人物を特定し撃退したいという依頼で、その人物を特定したり証拠を押さえる事はありますが、こうした行為に及んでいる相手でも当然ながら探偵が人や人物を傷つける事はできません。

探偵が何かの道具で人を故意に傷つける事は、一般の人と同じように刑事罰の傷害の罪などに該当し罰せられる事となります。

その変わりに特殊なカメラや機材を駆使する事は多く、とても望遠機能の高い望遠レンズを使用したり暗視効果のあるカメラやライトを駆使する事で夜間の写真をかなり鮮明に撮影します。

名探偵コナンには犯人追跡メガネが出てきて、その眼鏡では半径20キロ以内の範囲で犯人の居場所を追跡できるというものになりますが、GPS機器を探偵が直接対象者に付けて調査を行うという事はできません。

調査対象者の配偶者が自分の責任によりGPSを付け得た情報を探偵に知らせるという活用であれば使えるともいえますが、探偵が直接GPSで対象者を追跡するという事はできません。

探偵個人の能力+機材の能力としてカメラなどを駆使しますが、こうした機材力が探偵の調査力や能力を押し上げる事になると言えるでしょう。

探偵は何でも解決してくれる?

探偵のイメージといえば、依頼したら事件をすぐに解決してくれたり、変装して会社や本人に近づき接触し証拠を押さえるといったものが思い浮かぶかもしれません。

しかし、実際の探偵は、浮気相手の車や本人にGPS発信装置をつけ行動を監視調査して浮気の現場を押さえるなど、こういった調査は行いません。

なぜ慎重に調査を行うのか?もっと大胆に早く調査をして欲しいと依頼人側の気持ちとして思うものです。

ですがあくまで法の範囲内で調査を行う必要があり、探偵が、法を守りながら調査を行わなければならない理由があります。

調査で取られた証拠が違法な手段で取られたものになってしまうと、依頼者の利益を阻害してしまう事に繋がる為です。

例えば浮気の慰謝料を請求するつもりで依頼者は探偵に調査を依頼していたとします。

探偵が浮気の証拠をつかもうと、無理な調査を行い浮気相手のバルコニーに盗聴カメラを仕掛けたとします。

カメラですので浮気の証拠もしっかりと撮影でき肉体関係も映っていましたが、裁判ではこの証拠は使えないのです。

この証拠を取るために浮気相手のバルコニーに侵入している事が明らかで、違法な手段での調査だったという事を立証してしまい、証拠として使えません。

これでは依頼者が慰謝料を請求して支払ってもらえるはずだったものまで、受け取れないという事になります。

これでは依頼者は探偵に費用を支払い弁護士には費用と支払ったのに、慰謝料は貰えないという事で大きなマイナスになってしまうのです。

こうした事を避けるために、法の範囲内での調査を行います。

何でも解決できるという事はなく、調査は事前に入念な準備を行い調査の予定を組み、実際の調査を行います。

「何でも100%完全に解決します!」という探偵は現実では、胡散臭い悪徳探偵の可能性が濃厚な業者という事になります。

最後に

創作物の中の架空の探偵と実際の探偵の違いについてご紹介してきました。

日本の探偵では大きな権限を与えられていないので、調査ができる事などには限りがあります。

依頼者の利益を守るために法を遵守して調査を行う事が求められ、地道な調査などは時に依頼者からすると時にもどかしい部分もあるかも知れませんが、結果としては依頼者を守る事にも繋がっているのです。 こうした現実と創作の中の違いを理解した上で、探偵に依頼し調査を行う時の参考として頂ければと思います。

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